天国への切符



「三年でインフルエンザがチラホラ流行り出してるみたいだ、体調管理に気をつけるようにーーー」



しばらくするといつものように先生がそう言いながら一日を締めくくり、教室を出て行った。


立ち上がっていくクラスメイト達を横目に、タイミングをうかがう。


すぐに平野に声をかけるのも気が引けて、ジッと座ったまま帰っていくクラスメイト達を見ていた。



「真優、また明日ね!」


「うん、また…明日!」



そして、バイバイと、平野に声をかけて帰っていく女子四人を見届けると、数人だけになった少し静かな教室の中、俺はようやく立ち上がった。


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