天国への切符



この町に帰ってきて、まだそんなに時間は経っていない。


だけどここに帰ってきて良かったと改めて感じる。


多分戻ってこなければ、たくさんの後悔に押しつぶされて、心がもたなかったかもしれない。


この町に帰ってきて、あの高校に入って。

踏み入れた教室が、あのクラスで本当に良かったと今は心から思う。



「ちょっとだけ、寄ってもいいか?」



帰り道にあるあの公園の前で、そう言いながらブレーキをかけた。



「うん、いいよ!」


平野もすぐに止まり、俺たちは自転車をとめ公園に入った。


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