天国への切符
だけど、だんだん近付いていく家までの距離。
気付けばもう、あっという間に家の前までたどり着いてしまっていた。
あれ?
だけど、すぐに気がついた。
見慣れた自転車が、家の前にとまっていたからだ。
これって、吉岡の自転車じゃない?
慌てて自転車をとめ、家に入ろうとした。
「あっ……」
「あっ…」
だけど開けようとしたドアが先に開き、あたし達は玄関で鉢合わせて。
「お、おかえり…」
「あ、た…だいま」
なんて。言い合う展開になっちゃって。