天国への切符



「へぇーっ!なんかすごいじゃん!」

「うんうん!私までドキドキしちゃうんだけど」



その日、午後から聖子の家でパーティーをしていたあたしは、吉岡が届けてくれたあの切符のことをみんなに話した。



「でも吉岡なに企んでるんだろうね?」

「だねー、てか吉岡、サンタの格好して現れたりして」



サエ達はキャーキャー言いながら楽しそうに笑い声をあげる。



「ほんと…何考えてるんだかサッパリだよ」



あたしも言いながら、ふと笑顔がこぼれた。



パーティーといっても、今日はとりあえずメリークリスマス!真優おめでとう!って言われて、ジュースのシャンメリーで乾杯して。

予算二千円と決めていたプレゼントの交換をして。

四人からは別で誕生日プレゼントをもらった。



だけどそれからのあたし達はいつもと変わらずこんな風に輪になってなんだかんだと話をしてた。



どんな時も変わらない。

そんな関係や雰囲気が改めて心地良いと思った。



「そういえばさ、終業式の日、隣のクラスの柴原さん吉岡に告ったらしいけど知ってる?」



だけど、ノアの言った言葉で一瞬部屋の中がシーンとして。



「え!聞いてない!」

「何それ⁉︎いつ?学校帰り⁉︎」

「で、どうなったの⁉︎」



次の瞬間、サエと聖子と美波の大きな声が次々に響いた。


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