天国への切符



それからずっと。

あたしはドキドキがおさまらなくなって。


みんなで輪になって話しこんでいても、吉岡のことばかりが頭に浮かんできた。


指定された時間が近付くにつれ、時計を見る回数が増えていった。


そして、6時になる30分前。



「そろそろじゃない?」

「ほんとだ!もう行ってきなよ!」



ソワソワしていたあたしにみんなが先に声をかけてくれて。



「うん…」



みんなに見送られながら、聖子の家をあとにした。



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