天国への切符


こいつら昼間っから…何やってんの?



「真優…」


あたしの声と開いたドアの音に気付いたお母さん達は、驚いたように寄り添っていた体を離した。


「サエちゃん達と出かけるの?」


そしてあたしにそう聞いた。


「……そうだけど」



正直、気持ち悪いと思った。


年頃の娘がいるっていうのに家の中でイチャイチャするなんて信じられないって。


こんなの初めてのことだけど…

だからこそ、何だかムカついてくる。



マジでキモい。



「映画行くんだ。だから五千円ちょうだい」


ふたりから視線をそらしながらそう言うと、すぐにお母さんが立ち上がった。


「お小遣い渡してるでしょ?」


そしてあたしをじっと見ている。

< 34 / 363 >

この作品をシェア

pagetop