天国への切符


「…っ…」


止まっていたはずの涙がまた溢れ出していく。

次から次にポロポロこぼれて止まらなくなった。


お母さんには何でもお見通しだったんだね。


つまらない彼氏と付き合っていたことも、学校でうまくいっていなかったことも。


全部全部…気付いてたんだね。


やっぱりすごいね。

やっぱりあたしのお母さんだね。


親ってすごいね…

いろんな想いと一緒に涙が溢れた。




‘‘泣いた後には笑顔になって。

笑顔で空を見上げて。’’



お母さんがあたしに残した約束。

天国からくれた、最後の約束。



…ちゃんと守るからね。

絶対に、守り続けるからね。

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