天国への切符



「………お腹すいた…」


「はあ⁉︎」



散々泣いて泣き止んだあたしがつぶやくと隣で吉岡がクスッと笑った。



「まぁ、もうすぐ8時だしな。お前門限だろ?そろそろ帰るか」


「うん。でも何で吉岡があたしの門限知ってんの?」


「え?あぁ…言ってたから。お前のお父さんが」


「ふーん…っていうかこの前うちに来てたのって今日のために来てたの?」



ふと思い出してあたしが聞くと、まぁ…と言いながら視線を逸らされた。


本当…良い奴過ぎでしょ。




「ありがとね、吉岡」


「何がだよ、別に俺、何もしてねーし」



照れくさそうにうつむく顔。


やっぱり訂正。

良い奴過ぎる奴だけじゃないや。

そう思った瞬間、口が開いた。





「…好きだよ、吉岡」



気がついたら想いを言葉にしていた。



「えっ、おまっ…え…ちょっと待って」



そして目の前でアタフタする吉岡を見てハッと我に返った。


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