天国への切符



「つーか先に言うとかナシだろ」


…えっ?


吉岡の声で、うつむき気味になっていた顔をあげた。



そしたら紙袋にガサガサと手を突っ込んだ吉岡が何かを取り出し、それをあたしの首にフワッと巻いた。



「…マフ…ラー?」


「どう見てもそうだろ」


「えっ、あ、うん…そうだけど…」



答えながら巻いてくれたマフラーを触った。

その感触があまりにもフワフワしていて。



「超あったかい」


思わず笑顔がこぼれた。


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