天国への切符
「え、っていうかこれ…あたしが巻いてていいの?」
何故か目を合わせてくれない吉岡にそう聞くと、ボソッと小さな声が返ってきた。
「…お前のだよ、それ」
「えっ?あたしの?」
「だから……お前にあげるってこと」
「えっ?いいの⁉︎」
「いいのも何も…平野に買ってきたんだっつーの」
吉岡はそう言うと照れくさそうに頬を赤らめた。
ウソ…あたしに?あたしのために…買ってくれたの?
ってことは…これ…
「え、これプレゼントってこと?」
「だから……そうだっつってんだろ」
そう言いながらも吉岡は目を合わせてくれなかったけど。
「今日…それ渡して告ろうと思ってたんだよ」
「えっ…」
「え、じゃねーし」
次の瞬間、グッと引き寄せられた。