天国への切符
そしてーーー。
「俺以外の男の話すんな」
やっと唇が離れると、怒ったような顔でそう言われた。
「…ごめん」
だから思わず謝ると。
「無理」
そう言われて、またすぐにキスされた。
16歳になった日。
大切な人がまたひとり増えた。
お母さんと、お父さんと。
おばあちゃんと、友達と。
それから…吉岡と。
大切な人を大切に。
当たり前だけどそれを忘れずに。
お母さんとお父さんがつけてくれた名前に負けないように。
真っ直ぐ、優しく。
ずっとずっと…素直に生きていこう。
冬空の下でそっと胸に誓った夜。
キラキラ輝く星の中に、お母さんがいるような気がして。
大切な人が見守ってくれてる。
大切な人が抱きしめてくれてる。
そう思うと、心の中がたくさんの幸せで満たされていった。