彼の命日。
「今日は?…違うでしょ!!今日もでしょ?!」
私の答えを知っていたかのように、夢は声を上げた。
これで何回目だろうか。
私はいつも追いかけはしない。ただ、見ているだけ。
「ののかはねぇ、ずっとそのままなの?それでいいの?良くないでしょう!!」
毎日の事にイライラしているのか、夢は私を睨む。
「うーん…ごめんね?」
「いつか後悔するからねののかは!!」
そう言うと、夢は荷物を持ってお店を出て行ってしまった。
私が悪いのは知ってる。怒ったように見えても、夢は何事もなかったように次の日にはまた話しかけて、放課後はこうして付き合ってくれる。
「ほんと、後悔するかもね私。」
そう独り言を言って、私もお店を出た。
さっき彼が通った道とは反対側の道を、彼が向かった方向とは逆を、目では彼が通った道を見るのに、足はいつも逆方向に進んだ。