こんにちは、付き合ってください!



「……と言うことがあったわけなんですよ、沙織ちゃん」


『へえ〜。まあファンクラブの人にリンチされないようにね』


「冷たすぎるよ」



その夜。
いてもたっても居られない私は小学校の頃からの親友である坂崎 沙織(さかざき さおり)に電話をした。彼女なら今の私に対して良いアドバイスをしてくれるだろうと思い全てを話したが、どうやらそれは思い違いだったようだ。


『でもいいじゃない。アンタ中学の時彼氏がいるどころか、告白すらされなかったんだから』

「うっ……。それはそうなんだけどさ、いざ告白されるとどうしたらいいのか」

『だいたい、その時に断らなかったあんたが悪い。”私、あなたみたいな子タイプじゃないから”って言ってやれば良かったのに……。馬鹿だねえ』

「ですよね……」


『取り敢えず、明日また聞いてあげるから』そう言って一方的に通話を切られてしまった。なんて薄情なやつなんだ。
はあ、とため息をついて携帯をベッドへ放り投げる。

もう何か、全てが疲れた。


やはり、明日ごめんなさいと断ろう。そうしよう。私は平和に平凡にスクールライフをおくりたいんだ。そんな毎日、いつリンチされるか分からない非日常なんて私には不必要だ。



「しほー、夕飯できたわよー」



はーい、と下の階にいる母に適当に返事をする。あ、この匂いはハンバーグだな。ハンバーグ好きだから嬉しいや。本日唯一のいい事だね!


嬉しくなってスキップしながら階段を下りれば まあ、案の定階段から転げ落ちました。唇切りました。痛かったです。

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