花火


君の震えが小さくなるまで僕はずっと君を抱きしめた。

君が僕の顔を見つめた。

僕は小さく声をかけた。

「行こうか?」

言いたい言葉はこんな言葉じゃない。

もっと。

もっと言いたいことがあるのに。

だけど僕のその想いは言葉になってくれなかった。

「うん」

君は小さくうなずいた。



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