花火


僕は、ライターでろうそくに火をつけた。

さっきまで真っ暗だった場所がろうそくの火でほんのりと明るくなる。

花火を2本手に持ちながら君はろうそくの火を見つめた。

ろうそくの小さな火の明かりでやっと君の顔がしっかりと見えた。

頬がほんのりと赤らんでいて、目が少し赤くなっている。

「はい、どうぞ」

君が持っている花火のうちの片方を僕に手渡してきた。

僕は君の顔に見入っていた。

「どうしたの?」

君が不思議そうに僕の方を見ながら言ってきた。

「ごめん、気付かなかった」

僕はそう言いながら君から花火を受け取った。


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