花火


君のことだ。

君のことは僕が一番分かってる。

だからその言葉の続きは言わせないよ。

その言葉の続きを言っちゃったら、二人ともずっと進めなくなっちゃう。

本当はその言葉の続きが聞きたかったし、その言葉の続きを手に入れたかった。

でも、君の未来に僕は一緒に行けない。

10年後の君の隣に僕は立っていられない。

だからその言葉の続きは聞いちゃだめだ。

君の震えが小さくなったころに僕は、君の唇から僕の唇を離した。


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