花火
君と過ごせる最後の一日なのに、普段と変わらず、あまりにもあっけなく過ぎて行ってしまった。
そして帰りの会の最後で先生が言った。
「突然、転校することが決まった。
本人の希望で今日まで話さないでいたが、転校してもずっと友達ていてやってな。」
先生の言葉に教室中の生徒が驚きを隠せなかった。
帰りの会が終わってから、君の周りには友達が集まっていて、僕の入り込む余地はなかった。
僕は、机の上に座って君が一人になるまで待っていた。
君は友達との最後の時間を過ごしていた。
僕はその姿を眺め、また心が揺らいでしまった。