花火
未だ心は揺らいでしまう。
こんな僕で、今まで君と一緒にいたのが悔しかった。
もっと大人で、もっと強い僕で君と一緒にいれば、君はもっと違う何かを感じていたのかな?
そんなふうに思った。
「そんなことないよ?」
君の声を聞いて、僕は君の方を向いた。
「何が?」
「どうせ、また後悔でしょ?
もっと違う俺なら……みたいな」
僕が君のこと何でも知っている以上に、君は僕のことを知っていたんだね。
「何でもお見通しなんだね。」
僕は君を見つめて言った。