花火


僕はそのキスに、たくさんのモノを教えてもらった。

たくさんのことを感じさせられた。

君との楽しかった思い出。

辛かった思い出。

さびしい思いで。

でもやっぱり一番強く感じたのは、幸せだった思い出。


「最後のキスは俺からだよ?」

僕はそう言うと、君の唇に僕の唇を重ねた。

夜の街に響く音は何もなくなっていた。


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