リセット
プロローグ
高校2年生という存在とは、



ひどくナイーブで、純粋で、美しい。



僕は大人になってしまったけれど、
今でもその「青春」の輝きを忘れられない。

春夏秋冬、全てが輝いて見えた。
眩しくて、目を細めても、闇雲に歩くことができた。

先の見えない今を、純粋に楽しむことができた。



……これは、今だからこそ「楽しむ」と表現することができたと思う。



たかだか紙切れ1つの提出期限を過ぎてしまって、

それだけで、

先生からのプレッシャ、クラスメイトから「だらしない人」だと思われるのが怖かった。

逃げ場なんてないと思っていた。

家族も敵だと思っていた。

旅に出ようかと思った。



行動なんて出来やしないと思っていた。


小さなことでも、いちいち悩んでいた。



それを僕は今「楽しんでいた」と言えてしまうのだ。


あの頃の自分は、

なんて純粋無垢。

心が綺麗なんだ。



僕は今、どこにいるのだろう。
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