純愛は似合わない
結局、この間も連れて来られたショットバーに2人で並んで座る。
このバーはビルの15階にあって、ガラス張りの大きな窓から景色が一望出来た。オフィスビルの灯りや商業ビルの灯りがゆったりと視界に入り、落ち着いた雰囲気の店だ。
「ねぇ煙草吸って良い?」
「あれ?煙草吸うんだ。早紀ちゃん」
ヒロは以外そうな顔をした。
「リラックスすると吸いたくなるのよね」
「もしかして、うちの店に来た時は緊張してたの?」
「……あんた達ってすぐにかしずいて火を付けようとするじゃない。あれ、ウザいのよ」
自分のお気に入りであるスリムなライターを取り出し、メンソール煙草に火を付けた。
隣に座ったヒロを見やると、肩を揺らしてクスクス笑っている。
「早紀ちゃんって、やっぱり笑える」
「やぁね、笑い上戸」
私もつい可笑しくなって、口元が緩んだ。
「早紀ちゃんが笑ってるの初めて見たかも」
ヒロはごく自然に私の頬に手を伸ばした。
「ずっと近寄りがたそうな美人の顔を作ってるよね」
「世の中、そんなに笑えることばかり無いでしょ」
ヒロはそんな私の頬をムニッとつまんで笑う。
「今の早紀ちゃんの顔、結構笑える」
「痛いし、煙草吸えないんだけど」
この日の夜は、馬鹿みたいにじゃれ合いながらくだらない話しに盛り上がり、深夜まで飲み明かした。
これが私達の腐れ縁的緩い友情の始まりだった。
このバーはビルの15階にあって、ガラス張りの大きな窓から景色が一望出来た。オフィスビルの灯りや商業ビルの灯りがゆったりと視界に入り、落ち着いた雰囲気の店だ。
「ねぇ煙草吸って良い?」
「あれ?煙草吸うんだ。早紀ちゃん」
ヒロは以外そうな顔をした。
「リラックスすると吸いたくなるのよね」
「もしかして、うちの店に来た時は緊張してたの?」
「……あんた達ってすぐにかしずいて火を付けようとするじゃない。あれ、ウザいのよ」
自分のお気に入りであるスリムなライターを取り出し、メンソール煙草に火を付けた。
隣に座ったヒロを見やると、肩を揺らしてクスクス笑っている。
「早紀ちゃんって、やっぱり笑える」
「やぁね、笑い上戸」
私もつい可笑しくなって、口元が緩んだ。
「早紀ちゃんが笑ってるの初めて見たかも」
ヒロはごく自然に私の頬に手を伸ばした。
「ずっと近寄りがたそうな美人の顔を作ってるよね」
「世の中、そんなに笑えることばかり無いでしょ」
ヒロはそんな私の頬をムニッとつまんで笑う。
「今の早紀ちゃんの顔、結構笑える」
「痛いし、煙草吸えないんだけど」
この日の夜は、馬鹿みたいにじゃれ合いながらくだらない話しに盛り上がり、深夜まで飲み明かした。
これが私達の腐れ縁的緩い友情の始まりだった。