夏の夜長に世を思う

メニュー表をぼんやり眺めているが


なかなか決まらない。


カプチーノもいいけど


いつもみたいにアメリカンを


頼みたいような気もする・・。


自分の優柔不断さにこういうとき辟易する。


さっと決めればいいと自分では思うのだけれど


後悔するのが怖いようにも思う。


「僕だったら今はアメリカンかなぁ。」


『えっ・・?』



そんなに悩んでいるのがわかりやすかったかな。



「すっきりしていてうちのコーヒーの良さが


わかってもらえると思うけどなあ。


どうですか?」


うーんとすこし考えてそうしようと決心する。


『じゃあ、アメリカンお願いします。』


私はこのカフェに居着いてしまうんじゃないかという



かすかな予感を感じ取った。
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