DETH
「な、何だよ…この人形…」

そう、俺が目にした物は髪が黒くて長い…真っ赤な色をした、ワンピースを着た女の子の人形…

これが机の上に置いてあった。

何処かで見た事のある人形…しかし何処で見たか思い出せない…

あの声といい、人形といい、いったい何処で俺は…


そう思い、再び自分の机に目をやった。
そこにはもう…あの人形の姿は無かった。

「気のせいだったのか…?」

いや、そんなはずはない!
確かにここに…

「はぁ…こないだから訳分からない事続きで目までおかしくなったのか…」

俺は精神的に疲れているのだと思い、変に考えるのを辞めた。
そしてこの日は何事も無く一日を終えた。

―――――――――――――
翌朝。

ピピピ…ピピピピ…

「んんっ………」

目覚ましの音で目が覚めた。

ガチッと目覚ましを止め、「ふぁぁぁぁあ」っと大きな欠伸をする。

まるで昨日の出来事が嘘の様に目覚めが良かった。

しかし、あの手紙に書いてあった事が本当なら…

俺は昨日拾った封筒を机から取り出した。

そして手紙と封筒を交互に見る。


白から赤に変わった封筒…

俺の行動を見抜いてたような内容の手紙…

「死者の森…」

もし、ここに会員登録しなければ俺は殺されるのか?

今までの数々の出来事を考えれば、何か裏がありそうだ。

それに、ゲームソフトって“DETH”の事だろ?

俺が探してたやつじゃないか!
だったら今登録すればわざわざ探して買わなくても手に入る…

俺はチャンスだ!と思い、パソコンを開いて“死者の森"と検索した。

< 14 / 46 >

この作品をシェア

pagetop