DETH
「ぎゃぁ゛ぁ゛あ゛ー!!」
何とも言えない叫び声を上げたその男は、血だらけになるお腹を抑え、宙に浮く刃物を見て怯えている。
誰もいないはずの公園で、刃物だけが宙に浮く…
それから逃げようと必死に走る男の姿が情けなく思えて、俺は更に刃物のスピードを上げた。
選択したのは“事故死”
どうやら、場所によって選択出来るのが決まっているらしい。
他人の命より自分の命を選んだ俺は、完璧狂っていた。
もう人を殺す事に罪悪感なんて無い。
俺はこれをただのゲームとしか思っていなかった…
男が逃げても逃げても刃物は追い掛けてくる。
そして男は無我夢中で道路に飛び出した。
その瞬間、クラクションが鳴り響き、止まり切れなかった大型トラックが勢い良く男にぶつかった。
ガシャーン――――!!
何とも言えない衝撃音と共に、頭がグチャグチャになり、手や足がいろんな方向に曲がった男が地面に叩き付けられた。
トラックに乗った男もまた、フロントガラスに顔ごと突っ込み、丁度割れたガラスが両目に突き刺さっていた…
恐らく、二人とも死んだだろう…
俺は今、二人も人を殺してしまった。
それもゲームの中で…
スタートから30分経過。
まさかあんな形で二人いっぺんに殺してしまうとは…
それに…人ってこんなにもあっさりと死んでしまうもんなんだ…と思った。
こんなスリルを味わったのは初めてだ。
俺が求めていたモノ…
そう、これまで気づかなかったが、今では十分に分かった気がする。
俺は今までやっていたちっぽけなゲームなんかより、現実と架空の世界を結び付けたゲーム『DETH』の様なモノを求めていたんだと…
何とも言えない叫び声を上げたその男は、血だらけになるお腹を抑え、宙に浮く刃物を見て怯えている。
誰もいないはずの公園で、刃物だけが宙に浮く…
それから逃げようと必死に走る男の姿が情けなく思えて、俺は更に刃物のスピードを上げた。
選択したのは“事故死”
どうやら、場所によって選択出来るのが決まっているらしい。
他人の命より自分の命を選んだ俺は、完璧狂っていた。
もう人を殺す事に罪悪感なんて無い。
俺はこれをただのゲームとしか思っていなかった…
男が逃げても逃げても刃物は追い掛けてくる。
そして男は無我夢中で道路に飛び出した。
その瞬間、クラクションが鳴り響き、止まり切れなかった大型トラックが勢い良く男にぶつかった。
ガシャーン――――!!
何とも言えない衝撃音と共に、頭がグチャグチャになり、手や足がいろんな方向に曲がった男が地面に叩き付けられた。
トラックに乗った男もまた、フロントガラスに顔ごと突っ込み、丁度割れたガラスが両目に突き刺さっていた…
恐らく、二人とも死んだだろう…
俺は今、二人も人を殺してしまった。
それもゲームの中で…
スタートから30分経過。
まさかあんな形で二人いっぺんに殺してしまうとは…
それに…人ってこんなにもあっさりと死んでしまうもんなんだ…と思った。
こんなスリルを味わったのは初めてだ。
俺が求めていたモノ…
そう、これまで気づかなかったが、今では十分に分かった気がする。
俺は今までやっていたちっぽけなゲームなんかより、現実と架空の世界を結び付けたゲーム『DETH』の様なモノを求めていたんだと…