それでも大好き
作戦失敗
「それで、大好きなオムライスも残して礼央君に気づいてもらえなくて落ち込んでるわけか」

私は昨日の夕食の事を優香に話をした。

「最後まで食べてから聞けばよかった」

「そっちかよ!」

大好きなオムライスを残して後悔してる私。

でも、私がお兄ちゃんの事をいくら好きでも分かってもらえないって事が今回わかった。

「作戦失敗……」

ボソッとつぶやく。

「オムライスなんて、また作ってもらえばいいじゃん」

「無理だよそんなの……」

ただでさえ気まずいから、顔を合わせないようにご飯準備して先に学校来たのに。

「ただでさえ気まずいからなんて話せばいいかわかんないし……」

「でも家に帰ったら嫌って言っても顔合わせるから無理じゃない?」

「ぁーでも、今日は大丈夫。多分しばらく大丈夫。」

「なんで?」

「誠二君が泊りに来るんだって、本人から許可ちょうだいって言って……」

「私も泊りに行かせていただきます」

「えぇっ⁉︎」

まさか優香までお泊り⁉︎

「これ決定だからね」

「はい……」

優香の「これ決定だからね」は絶対だから嫌とも言えない。

でも、今お兄ちゃんと顔を合わせずらい分、誠二君と優香が居てくれると助かると思う。

そうしてかれこれ考えてるとあっという間に放課後になった。

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