それでも大好き
気づいて
「お兄ちゃんただいまー。今からご飯つく……る……オムライスだ!」

帰ってきてリビングに顔を出すと、私の大好きなオムライスがテーブルに置いてある。

「おかえり理央。今できたんだ、着替えてこいよ♪」

うん、って言って部屋に急いで戻って部屋着に着替えてリビングに戻る。

「美味しい」

「そうか!よかったー。作った甲斐があったよ」

お兄ちゃんの作るオムライスは絶品!

自然と笑顔がほころぶ。

そうだ……アレ聞いてみよう。

「お兄ちゃん」

「ん?どうした?」

「あのさ、お兄ちゃんは好きな人いないの?」

やばい、聞いちゃった⁉︎

「もちろん、理央が好きだよ」

……え?

「俺の大事な妹だから好きだぞ?」

ぁー、そういうことね。

「そ、そうじゃなくて、い、異性として好きな人!」

「ぁー、いねーな」

いないんだ、よかった。

「私はお兄ちゃんが好きだけどな」

あれ、今私……なんて

「マジか、嬉しいな。こんなに兄思いのいい妹がいてくれて」

……気づいてない?よかった……

よかったのかな?

「ごちそうさま……」

「もういいのか?」

好きなオムライスを残して部屋に逃げるように入った。

妹としてじゃなくて、誰かを思う好きって気持ちなのに……気づいてよお兄ちゃん。
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