それでも大好き
朝もご飯だけが用意されてて理央は先に学校に行ってた。

「俺、なんか悪いことしたかな?」

「それは、お前が悪いよ」

俺は昨日の夕食での出来事を友達の窪薗誠二に話した。

誠二とは中学3年の時からの友達。

たまに家に来ては何日も泊まるという心許せる友達。

「なにかいけないことしたかな、俺。」

「お前ってどんだけ鈍感なんだよ」

「はっ?俺が鈍感⁉︎」

なんで鈍感なんだよ。そりゃなんで理央がなんで怒ってるかわかんないけど、俺が鈍感となんの関係があるんだよ。

「いいか、お前は理央ちゃんがなんで怒ってるかを自分で考えろ!あと今日家行くねー」

俺が自分で考える……。こいつに話した俺がバ……。

「誠二、お前しれっと言うな!危うく聞き逃すところだったぞ⁉︎」

「わりーわりー」

へへへっと笑う誠二。

何がわりーわりーだ。どーせまた親とケンカしてしばらくの家でだろ。

「今度はなんでケンカしたんだよ」

俺は飽きれながら聞く。

「さっすが俺の親友。れぉん君だーいすき」

「気持ちわりいぞ」

いくら親友といえども大好きって言われると気持ち悪い。

「ごめん、ごめん。でも今回はケンカじゃないんだ。」

「じゃなんだよ」

「久々に行きたいだけだ♪」

なんと気分屋な俺の友。

「それと理央ちゃんから許可もらってるから♪」

お前、いつの間に許可もらったんだよ⁉︎

俺は誠二にいろいろ振り回されてるようで途方に暮れる。
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