LOVEPAIN②
「まぁ、殆どが演技。
俺は白々しいのならば、黙って声を押し殺してる方が、興奮するけど……。
でも、そう言うものだって言われればそうだし、
観てる人に伝えようと思ったら、
あれくらい大袈裟なくらいじゃないと」
成瀬は信号が青になったのを確認すると、
アクセルを踏む
やはり、この人は仕事の話になると饒舌になる
「やっぱり演技なんですね?
私、前の彼氏の時も成瀬さんの時も、
あんな風に声が出なかったので、
てっきり、二人が下手なのかな?って思っちゃいました」
そう言って笑うが、
成瀬は笑わず、
少しムスッとしている
「なぁ、一つ忠告しとくけど、
俺は女でも、ムカついたら殴るから」
「なんで怒ってるんですか?」
私は状況が分からず、
不安になってしまう