LOVEPAIN②


「美濃の奴、社長と仕事の話してるし、
楽しくないからこっち来た」


咲山モモはそう言って、
私の横に腰掛ける


テーブルに弁当を置き、割り箸を割った



美濃、って、呼び捨てなんだ……




「そ、そうなんですね。
仕事の話だと、面白くないですよね?」


私は咲山モモに畏怖を感じ、
話を合わせる




「うん。超、つまんねぇ、って感じ。

男が二人固まって、難しい顔してさぁ、
今日の撮影のあのシーンが良かったとか、
マジで話してて。

あいつら、どうせ大して女とヤッた経験なんてない癖に、
なにを偉そうに語ってんだか」


咲山モモは、パクパクとお弁当を食べて行く



言葉やその話している内容は乱暴だけど、

箸の持ち方や食べ方は凄く綺麗



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