LOVEPAIN②

「――少し寝たいので、
黙ってて貰えませんか?」


撮影の疲労と、満腹感と、
シャワーを浴びて体が温まったからか、

異常に眠たい


シートに寝転んでいると、
体が吸い込まれて行くような感覚がする




「べつに気にすんなよ?
俺が勝手に一人で話してるだけだし。

俺は大した経験もないのに偉そうにセックスを語って、
悪かったよなー。

でも、そう言われても、
こちらだって仕事ですから」


成瀬も倒したシートに寝転び、
相変わらず怒るようにそう口にしているが、

今のこの状況を楽しんでいるのが、
空気で伝わって来る




「私が言ったんじゃなく、
全部モモさんが言った事なので、

モモさんに言ってくれませんか?」



「あっ、お前って、仲間を売る気か?

最低な奴だなぁ」


そう言ってクスクス笑う成瀬に釣られて、
笑ってしまう



眠たかったのに、
段々と目が冴えてくる





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