LOVEPAIN②
「あぁ~、ナツキぃ、
帰りたくなーい」
「お前もう酔ってるから。
タクシー拾える所迄送って行く。
今日はもう帰れ」
一人の男性が、
足元がフラフラと覚束無いOL風の女性の肩を持ち、
支えながら、
店の出口の方へと歩いて行く
私達の居るテーブルの前を、
その二人は通り過ぎて行く
私がジッと見すぎたのだろうか?
ナツキと呼ばれていた男性は、
こちらに視線を向けた
ふっ、と目を細めて笑いかけられて、
ドキッ、とした
この人、ビジュアルだけなら、
成瀬と張り合うくらいに整っている
いや、成瀬よりも洗練されている分、
この人の方がカッコいいかもしれない
髪の毛も綺麗な茶色に染まっていて、
左手の親指と小指に嵌まっているシルバーの太いリングが、
とてもお洒落
顔や雰囲気がカッコいいってだけで
こうやって心を奪われる辺り、
私もただのミーハーな女なのだと、
少し自分が嫌になった