LOVEPAIN②

「――俺は、急じゃない」


須田の顔がキスを迫るように私の顔に近付いて来て、
手でそれを避けようとするが、

その手を掴まれる



抵抗しても敵わず、
私の唇に須田の唇が重なった



こうやって無理矢理にでも私の嫌がる事をする所は、

昔の須田と変わってないかもしれない




須田の唇は少しお酒のような味がして、
成瀬とのキスを思い出した


そう思うと、好きではない男とこんな事、と思ったけど、

自分がAV女優だと言う事を思い出してしまう



仕事で散々、
好きでもない男とキスをして、
それ以上の事だって


だから、今、嫌だと思う事が白々しく自分で思ってしまった


なにを今さら純情ぶっているのか、と



AVの撮影中は仕事だからと、割り切れていたけど、

それって、お金さえ貰えたら私は誰とでもセックス出来るのか、と、

そんな自分がさらに嫌になる



そうじゃない、と思うけど、
実際に私のしている事はそう




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