LOVEPAIN②
人の気配を感じ、
私達は周囲を気にするように唇を離した
自分の唇に、
しっとりと余韻が残る
「――このまま、二人で何処か行かないか?」
「何処かって、何処に?」
なんとなく分かっていたけど、
訊いてしまう
「ホテル…」
そう微かに唇を動かして、
言葉にされた
「でも……」
流石に、いざそうなる事には、
多少の抵抗を覚える
唇が離されて、
少し、冷静になったからか
「まだ、広子と一緒に居たい」
ならば、ホテルじゃなくてもいいのではないか?
と、思うけど、
何処かでご飯とかでも食べながら楽しく話そう、
と言う空気でもない