LOVEPAIN②
「どうしたら信じる?
俺、広子が携帯に入ってる女のメモリー全部消せって言うなら、消せるし!
なんなら、いっその事携帯なんかぶっ潰したって構わない」
そう言って、須田はスーツのズボンのポケットから、
二つ折りの携帯電話と、
スマートフォンを取り出した
「ちょ、ちょっと、冗談でしょ?」
そう声を掛けるが
須田は答える事はない
須田は、閉じていた携帯電話を広げると、両手で掴み、
それを逆に、バキッ、と折った
破壊したそれを地面に投げ捨てると、
次はスマートフォンを割ろうと両手で掴んだ
「ごめん!
待って!!」
必死で、その手を掴んで止めると、
須田も冷静になったのか、
その手に力が抜けたのが分かった
「――信じる、から」
須田のその行動に怯えているのか、
手が震えて声が小さくなる