LOVEPAIN②

「俺、本当に広子が好きだから。

いきなりだから戸惑わせてると思うけど、
今、本当に俺はお前が一番大事だから」



「――うん」



私の事が一番大事だと言う須田のその台詞に、

涙腺が緩んだのか泣けて来た



今、須田は自分の思い通りにならない私に対してむきになって、
感情的になり、

その気持ちなんて一時的なものかもしれない



だけど、その

“一番大事”

だと言うその台詞を、

自分がどれだけ誰かに言って欲しかったのか


そう思われたかったのか



それに気付いて、涙が溢れて来た




例えば、私に彼氏が居て、
その彼氏にとって私と仕事、
どちらが大事かと不安になる事が有ったとしても、

そんなの比べられるものじゃないって分かる


別に、それで構わないと思う



だけど、成瀬みたいに私よりもあっさりと仕事を取り、
だからお前とは無理だと言われると、

とても悲しかった



だから、仕事よりも何よりも、
私を一番大事だと言ってくれる今の須田の言葉が
本当に嬉しくて、

このまま私を受け入れて欲しいと思ってしまった





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