LOVEPAIN②

「なんでそんなに怯えてんだよ?」


成瀬の手が私の頬に触れる


相変わらず、温かい




「――だって、急にこんな場所に連れて来られて、
意味分からないじゃないですか……」


自分の声が震えている


少し、目頭が熱くなって涙が浮かぶ




「もしかして、こんな人の居ない場所に連れて来られて、

俺に犯されるとでも思ったか?」



「いえ、それは考え無かったです!!」




何度も、このまま成瀬に殺されるんじゃないか、

無理心中するつもりじゃないか、って考えてて




でも、今、私に顔を近付けて来る、その成瀬の目は、

まんざら私のその考えはハズレてないんじゃないか、
って思ってしまった




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