LOVEPAIN②


「そうだとしても、早すぎないか?」



「早いかもしれないけど……」



確かに、数時間前迄の私は、
どっぷりとまだ成瀬にハマッていた



その気持ちが重すぎて、報われないからこそ、

他に自分を好きだと言ってくれる人が居たら、
そちらに大きく傾いてしまう


成瀬を好きな事が、
私には苦しすぎたから




「相手はどんな奴?」



「それって答えないといけませんか?」


そう言い返すと、
いつもとは違って成瀬は私から目を逸らした


いつもの成瀬なら、
何か言い返して来たはずなのに




「――知りたいから、教えてくれないか?」


いつもの調子とは違う、
弱気で控えめな態度でそう訊かれ、

教えない、と言い返す事が出来ない






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