LOVEPAIN②

部屋に入ると消して出掛けたはずなのに、

部屋の中は電気が付いていて明るかった



鍵は掛かっていたけど、
どうせなら電気の方を消してて欲しかった



どうせ、光熱費は自分で払わされると思うから、

元が貧乏な私はそういった細かい所が気になってしまう




この部屋に入って来た時の成瀬は、
ただ純粋に私を心配してくれていたのかもしれない



風呂場やトイレの電気も付いているので、

私に何か有ったのかもしれない、と、
必死で探してくれている成瀬の顔が浮かんだ



胸の奥が、ギュッと締め付けられるような感覚がした



そんな瞬間、

私はまだ成瀬が好きなのかもしれない、と、
自分が許せなくなる



でも、先程の成瀬は本当に最低で、

こんな男もう好きじゃない、って思った



もう、あんな奴好きじゃない――







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