LOVEPAIN②


そのファッションビルから出ると、
私と須田は別れる


自然と、私達は歩みを止めたけど、
須田は握っている私の右手を離さない




「俺、広子と離れたくないなぁ。

仕事、行きたくない」


そう甘えて来る須田は、
母性本能からか、
可愛いな、と思ってしまった



私の右手は繋いだまま、

須田は紙袋の紐の上から私の左手を握りしめ、
向かい合うような形になった




凄く恥ずかしくて、俯いてしまう



私達の周りを沢山の人が、
通り過ぎて行く





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