LOVEPAIN②


「――広子?」


そんな私に、須田は怪訝そうに呼び掛けて来るが、
何も言葉を返せない




「どーも」


成瀬は何もないように通り過ぎてくれる事はなく、
私達の前で立ち止まる




「――なる……いえ。

何してるんですか?」



成瀬の名前を口に出し掛けて、

ふと、須田に私の携帯電話に有った成瀬からの鬼のような着信を見られている事を、
思い出した




「広子、知り合い?」



「あ、うん。

事務所の社長さん」


須田にそう説明すると、

成瀬は私のてんぱっている姿を楽しむように、
ニヤリ、と笑った




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