LOVEPAIN②
「じゃあ、社長。
私達、先を急ぐので――」
そう言って、須田の腕を引っ張った時
「成瀬さん、ブラックで良かったっすか?」
缶コーヒーを2本手に持った篤が、
こちらへと歩いて来る
「――なるせ……」
須田はその名前を引っ掛かるように、口にした
まずい、と心臓が早鐘を打つ
どうしたらいいのかと、
目がキョロキョロと泳いでしまう
駐車場の端に自動販売機が有り、
その近くのスペースに、
あの黒いベンツが停まっている
なんとなく状況を把握して来たけど、
なんでこんな時間に
この人達がここに居るのだろうか?