LOVEPAIN②
深夜の2時前に、
仕事を終えた須田から携帯電話に電話が掛かって来た
『――悪いけど、
今から客とアフター行って遅くなるから、
今日は行けない……』
「――そう」
私が電話に出ると、
須田はすぐにそう言って謝って来た
今日も、仕事が終わったら私の部屋に来る約束を、
須田としていた
約束と言っても、
一方的に須田がそう言っていただけだが
『ごめんな、広子』
「――ううん」
今日は会えないのだと思うと、
少しがっかりとしてしまう
せっかく、今日はシチューを沢山作ったのに
だけど、篤からあんな話を聞かされた後だから、
どんな顔をして須田に会えばいいのか分からなかったから、
ちょっとホッとしてしまう
今日、篤から聞いた事は忘れよう