LOVEPAIN②

「あの、この前はありがとうございます」


私はそう告げるが、

成瀬の顔を見ているとあの夜の事を思い出して、
嫌悪感が湧いて来る




「この前、って何?

俺、最近お前には礼を言われるよーな事してないけど」



「駐車場で私の彼氏と鉢合わせて……。

その、上手く誤魔化してくれてありがとうございます」



成瀬の嘘のおかげで、
私は須田と揉めずにすんだし、

須田と成瀬もあの場で喧嘩になるような事も無かった




「俺が、本当の事言いたくなかっただけだから。

だって、みっもねぇーじゃんか。
お前が自分から離れて行くのが怖くて、
馬鹿みたいにあんなに電話して……」



「あ、でも、あれだけ電話して来たのは、

私に何かあったんじゃないか、
って思っての事ですよね?」



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