LOVEPAIN②

「そりゃあ、初めはそう思ったけど……。

途中から、本当に逃げたのかと思った。
仕事が嫌だからじゃなく、
俺が嫌で。
嫌われたかな?って。

お前からの残ってた着信も、
俺に最後に何か文句でも言いたい事でも有ったのか、って」




誰かから嫌われたら怖いと言う恐怖は、
昔の私がその思いが強かったから、

分かるような気がした



私はまだそれほど依存していないけど、
携帯電話みたいに便利で肌身離さないような物が有るから、

電話に出ないだけでそんな風に相手に嫌われているとか、
考えてしまうのかもしれない




「――そんな事を思うわりには、
成瀬さん、あの晩、最悪でしたよね?

嫌いになるな、って言う方が無理なくらい」



あの無理矢理押さえつけられた時の、
自分自身が惨めに感じた感情は、

きっと忘れられない



人としてじゃなく、
道具にされたような思いがした




< 377 / 476 >

この作品をシェア

pagetop