LOVEPAIN②


「じゃあ、頼んだ」


成瀬は実樹子さんにそう言うと、
さっさと部屋から出て行った


私は鏡に向かって椅子に座りながら、
実樹子さんに髪を触られている




実樹子さんの顔を鏡越しで見るけど、本当に美人で、

本当は男性だなんて思えない



纏められた長く柔らかそうな髪だって、
私の固い髪より女性っぽい



唯一、手は女性にしては大きいのかも……




「広子ちゃん、社長から私の事聞いたでしょ?」


うふふ、とそう笑う実樹子さんに対して、
私はなんで?と焦ってしまう




「あ、はい……。
なんで分かったんですか?」


< 384 / 476 >

この作品をシェア

pagetop