LOVEPAIN②
「じゃあ、頼んだ」
成瀬は実樹子さんにそう言うと、
さっさと部屋から出て行った
私は鏡に向かって椅子に座りながら、
実樹子さんに髪を触られている
実樹子さんの顔を鏡越しで見るけど、本当に美人で、
本当は男性だなんて思えない
纏められた長く柔らかそうな髪だって、
私の固い髪より女性っぽい
唯一、手は女性にしては大きいのかも……
「広子ちゃん、社長から私の事聞いたでしょ?」
うふふ、とそう笑う実樹子さんに対して、
私はなんで?と焦ってしまう
「あ、はい……。
なんで分かったんですか?」