LOVEPAIN②

「そろそろ終るか」


成瀬はゆっくりとこちらへと、歩いて来る




私はもう寒さが限界だったので、
ホッ、としたと同時に、

気だるそうにこちらへと歩いて来る成瀬を見ていて、
腹が立って来る




「お疲れさまです」


嫌味を込めて、そう口にした




「ああ。

まぁ、4人もサイン貰ってくれりゃあ、いいじゃん」



「えっ?

なんで知ってるんですか?」



なんで、私がサインをしたのは4人って知っているのだろうか?



もしかして、どこかから私の事を見ていてくれたのかな?



あの向こうの方に有る、
銀行の辺りがわりと死角になってるし



てっきり、成瀬は自分だけ寒さから逃れて、

車の中で寝ていたりしたんだろうな、って思っていたけど





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