LOVEPAIN②

「――広子、なんで俺に黙って出掛けんだよ?

携帯も何回掛けても出ねぇーし」


須田はゆっくりとこちらに、歩み寄って来る




寝ていたから、起こしたら悪いと思ったとか、

夕べ、仕事なのを伝えているから、
わざわざ寝ているのを起こして迄伝える必要がないと思ったとか、

そんな言い訳は通用しないと思った




「――ごめんなさい」


私はゆっくりと、後ずさってしまう



だけど、須田にすぐに追い付かれて、

左腕を引っ張られた




「嫌だっ」


そう振り払おうとするが、須田の力や意思は強くて、

その手を離してはくれない




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