LOVEPAIN②


「広子、指輪どうしたんだよ?」


そう言われて、

鞄に入れたまま、
再び指に嵌めるのを忘れていた事を思い出した




「――仕事で外してて、ごめんなさい……」


そう言い切る前に涙が溢れて、
体が震えていた




怖い――




「勝手に居なくなるなよ。
電話に出ろよ……。

怒ってないから、泣くなよ」


抱き締められそう言われるが、
体の震えが止まらない



実際に、私は須田から暴力らしい暴力は受けてない


だけど、こうやって部屋を荒らされたり、
過剰に束縛をされたりする事だって、

立派な暴力だと思う




だって、私は須田の存在が怖くて仕方ないのだから






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