LOVEPAIN②
すっと、武石健の手が伸びて来て引き寄せられ、
私は彼に背後から抱き締められるような形になった
戸惑う私をよそに、
武石健は私の首筋を音をたてながら舐める
「あっ」
ふいに、声が漏れる
もう撮影が始まっているんだ……
部屋はとても明るくて、
その上照明で照らされて、
目が痛くなるくらいに明るい
二人のカメラマンの男性は私に近寄って来る
多分、音声さんだと思う人は、
棒に黒いマイクが付いたような器具を持って、
私のそんな小さな声さえも、
拾おうとしている