LOVEPAIN②
「――ごめん。
悪いけど、覚えてないなぁ。
でも、いい子そうで可愛い子じゃん。
広子ちゃんって言うんだ?」
とって付けたようなそのナツキの誉め方に、
がっかりとしてしまうと同時に、
やはり、私の事なんて覚えてないのか、と、
さらにがっかりとしてしまった
「ありがとうございます。
それにしても、ナツキさん今帰りですか?
あの下着メーカーの女社長と、
アフターに行ってましたもんね?」
「ああ。
さっき、やっと解放された。
あの女淫乱だから、勃たなくなる迄、帰らせてくれないし。
太い客だから、邪険に出来ないし」
綺麗な顔を歪ませ、ククク、と喉を鳴らして笑うそのナツキを見ていて、
この人はそれ程いい人じゃないのだろうな、
と思ってしまった
「ナツキさんも、大変ですねー」
そうやって笑う須田を見ていると、
須田も同類なんだな、って、
がっかりとした
いや、ナツキや須田がどうとかより、
ホストってそんな人種なのかもしれないと、思ってしまった